先週、フィリピン・北ルソンでは、連日にわたり豪雨に見舞われました。
その影響で土地の低い地域では、家が冠水する被害に遭いました。
ターラックの北部にあるパニキという地域もその例外ではなく、現在も避難所で一部の住民は生活しています。
話は少し逸れますが、ロータリークラブをご存知でしょうか?
国際社会奉仕を行う団体で、ここターラックでも積極的な活動が行われています。
友人塾オーナー夫婦は、ロータリークラブに加入し、現地で様々なサポートを行っています。
今回、その活動の一環として、急遽、避難所への救援物資を届けに行くことが決定しました。
私も現場に同行したので、そのときの活動の様子やフィリピンのリアルをお届けします。
被害のあったパニキ
パニキは、友人塾から北へ30分ほど車で走ったところにあります。
実際に被害があったのは、パニキの中でも特に土地が堀り下がっている地域です。
数日前は、このあたりも水に沈んでいたそうです。
豪雨から時間が経過したこともあり、今は水がほとんど引いています。
避難しているのは、人だけではありません。
ヤギ、ブタ、ニワトリ、犬も避難しています。
避難所の様子
こちらが避難所となっている建物です。
大きさは小学校の体育館ほどで、中は二階建てです。
ここには約500人が避難生活を送っています。
避難所の目の前には、水洗い場があります。
洗い場といっても、ひとつひとつの仕切りに蛇口があるわけではなく、裏の井戸から水を汲んで洗濯をします。
子ども達も協力して、重たいバケツの水を運んでいます。
服はこのようにタライを使って手洗いします。
フィリピンでは服を手洗いすることが一般的です。
洗濯機のある家庭は、富裕層に限られています。
避難所一階フロアの様子。
窓がたくさんあるおかげで、思ったよりも涼しいです。
また、明かりをつけなくても、外から差し込む光で十分に屋内は明るいです。
避難所ではベッドやマットレスを持ち込んで寝ている人もいますが、ほとんどの人がコンクリートの上に雑魚寝している状態です。
中央部は吹き抜けとなっていて、風が通ります。
視線を上へ向けると、柱の上に男の子三人組がいます。
カメラを向けると照れくさそうに笑っていました。
被災中、気になるのはやはり衛生環境。
飲み水はミネラルウォーターを使用していますが、洗濯や食器を洗う水は外から汲んできた水を使用しています。
この環境で病気にならないか心配です。
避難所周辺には、食べた後のゴミがたくさん落ちています。
そのため、いろんなものが混ざった臭いが漂っています。
ここだけに限らず、フィリピンではゴミのポイ捨てが多いです。
誰でもという訳ではありませんが、大人や子どもが道路や家の周辺に平気でゴミを捨てます。
それを見ても、周りで注意をするような人はいません。
ゴミを捨てることがどう周りに影響するのか知らないのです。
学校や家庭でそういった教育を受けていないのが、フィリピンの教育の現状です。
ボランティアの様子
今回の支援では、トラック2台分の救援物資を用意しました。
お米、お菓子、飲み物、洋服を人の手でどんどん避難所へ運びます。
このボランティアには、韓国から親子留学で来た子ども達も参加しました。
トラックを何度も往復している姿を、避難所の子ども達がじっと見つめています。
運び終えると、ひと家族ごとに支援物資を渡していきます。
支援物資の周りには多くの人集りができ、もの凄い熱気です。
ちなみに、物資を手渡している白いポロシャツの男性は友人塾のオーナーです。
ロータリークラブのターラックグループの代表として、率先して動いています。
物資を受け取った男性は、ほっとした表情。
その横でサポートしている白いポロシャツの女性は、オーナーの奥さんのジャネットさんです。
子どもたちも積極的に活躍してくれます。
こちらでは、洋服を性別ごとに渡しています。
雨季の間は、洗濯物が乾きにくいのでこういった支援物資も現地では助かります。
ちょっとユニークな支援だと感じたのは、タホの無料提供。
タホとは、豆腐に黒蜜をかけたもので、フィリピンではおやつとして親しまれています。
子どもの行列があっという間にできてしまいました。
タホはこのようにストローで吸いながら食べます。
出来たてのタホは、温かくて美味しいです。
いつまで避難生活が続くかわかりませんが、それでも子ども達の表情は明るいです。
そんなパニキでは、各地で支援の輪が広がっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、ボランティアには、ターラック市内から約40名の参加者が集まりました。
支援物資を届けることが目的ですが、人の思いも合わせて届けることが現地を元気にすると感じました。
彼らが一日もはやく元の生活を取り戻すことを切に願います。